さちこの部屋(164)

chit chat(54)大好きな場所 〜その1〜


 以前、掲示板に投稿したことがあるが、8年来の私の行きつけの店、旭鮨。

 もう身体がキツいので閉店すると何度か聞いていたが、とうとう先月末(8月末)、多くの常連さんに惜しまれつつ53年間の長きにわたる歴史に幕を下ろした。

 旭鮨を知ったのは、9年くらい前に会員Cちゃんが体育館のレッスンにちょこちょこ参加してくださるようになり、ある時お仕事は何をしているのか訊いたところ、実家が営むお鮨屋さんの手伝いをしていると聞いて。

 昔、父が近所の行きつけの鮨屋でよく呑んでいたのを見ていて「粋だなー」と憧れていたので、いつか行きつけの鮨屋を持つのが夢のひとつとなっていた私はすぐにお店に伺うことに。

 住宅街の中にある小さな鮨屋。

 お店の佇まいは昭和を感じる昔懐かしいレトロな雰囲気。

 大将はお話し好きでサービス精神旺盛な人だ。

 お客さんをお腹いっぱいにしてあげたい!との思いから、注文していなくても「ゲンコツ(切り立てのシャリを拳サイズに握ったおにぎり)」が出てくるし、太巻きはいつも巻き切れないほどの具材で上部にもいっぱいはみ出している(※添付写真参照)。

 Cちゃんを通して「マジでもうお腹いっぱいだから!」と止めてもらわなきゃならないほどだ笑

 そして大将の握るお鮨はネタが3枚は取れるだろうというくらいぶ厚い。

 それだけぶ厚いので、中トロを頬張ると中トロの甘ーい脂が口じゅうに広がり、旨味が口の中で炸裂するのだ。

 お鮨も最高だが、大将が焼いてくれる太刀魚の塩焼き。

 いい太刀魚を使っているので、そこらで売っているペラッペラに薄い太刀魚とは全くの別物。

 皮はパリッと、身はぶ厚くふわっとしていて、そこにレモンをたっぷり絞っていただく。

 あまりにも大好き過ぎて、太刀魚が入ったら連絡をくれといつも頼んでおいたくらい。

 これまでの人生で食してきた焼き魚の中でダントツだ。

 女将さんは笑顔がチャーミングな看板娘(Cちゃんではなく、女将さんが看板娘だと思う笑)。

 私と子ども達は大変可愛がっていただいたが、変なお客には毒舌全開で超辛口!

 それがまた小気味よくって、面倒なお客をズバズバとぶった斬っていく様は隣の席から見ていて何とも爽快だった。

 女将さんは私の母と同い年なのだが、かたやうちの母は認知症になってしまったが、女将さんは頭もシャッキシャキだ。

 お友達もたくさんいらっしゃるし、お昼休憩や休日には必ず近所のカフェや友人宅で女子会をしてたりする。

 暖簾をくぐるといつも「あら、さっちゃん!いらっしゃーい!」と明るく迎えてくれた。

 うちの次男を連れて行った時は「○○ちゃーん!いらっしゃーい❤」と必ず❤が付いていたなー笑

 知り合ってから8年経った今も全然変わらない。

 いつもキュートでチャーミングな素敵な女性だ。

 おつまみ担当はCちゃん。

 Cちゃんは味付けのセンスが抜群!

 若い頃からあちこち呑み歩いてきたが、そこらの飲食店より断然Cちゃんの作るおつまみの方が美味しい。

 例えば、春菊の白和え。

 川越に美味しいお豆腐屋さんがあり、そこのお豆腐が手に入らなければ白和えは作らないというこだわりぶり。

 そして、白和えの隠し味にはウニがほんの少し入っているそうだ。

 鮨屋ならでは!

 そして、茶碗蒸しも絶品だ。

 私は茶碗蒸しが大好物で、メニューにあれば必ず注文するのだが、以前は母の作る茶碗蒸しが世界で一番美味しいと思っていた。

 が、Cちゃんの茶碗蒸しはそれ以上!

 Cちゃんが作る白和えや茶碗蒸しを日本酒で流し込む…最高過ぎるーっ✨

 他にも牡蠣のグラタンやアジフライ(鮨ネタに使う新鮮な鯵をフライにしてあるので身がふわっふわ!添えてあるキャベツの千切りも、Cちゃんが切るとパリパリで瑞瑞しくて超美味しい)、レンコンの甘酢炒め、とうもろこしのかき揚げ、キャロットラペやトマトとパセリのサラダ等など。

 私の好みも熟知してくれていたので、いつもおつまみはお任せでお願いしていた。

 よーく冷えた瓶ビールで乾杯、Cちゃんのおつまみで熱燗or冷酒、〆に大将の愛情たっぷり、ボリュームたっぷりのお鮨をいただく。

 友人達や子ども達と行くこともあれば、1人でもよく行っていた。

 連れがいても1人でも、大将や女将さん、常連さん達と談笑しながら美味しいお鮨とお料理、お酒をいただく、最高に幸せな時間だった。

 そして旭鮨の皆さんにはうちの子ども達も大変良くしていただいた。

 特に次男はよく私に同行していたし、年頃の男の子にしてはよく喋るので、「年頃の男の子がこんなに喋ってくれるなんて❤」ととても可愛がっていただいた。

 次男を連れて行くと、「〇〇ちゃん!食べ盛りなんだからこのくらい食べられるだろ?」と注文した量の倍はお鮨が出てきたものだ。

 ある時、もう既に大将と女将さんはお店の奥の居間で寛いでいて、私は仕事から上がったCちゃんとしばらくお喋りをしていた。

 いざお店を出ようとしたら、次男が普通〜にお店と居間の仕切りの扉をガラガラと開け、「んじゃ帰るねー。ご馳走さまでした!」と大将と女将さんに声をかけた。


 え…?


 そこはプライベート空間だし、長年通ってる私でもひと声かけてからじゃなきゃ開けないけど?笑

 まるでおばあちゃん家に遊びに来ていた孫が挨拶しているかのような様にCちゃんも私もびっくりしたものだ。

 でもそれくらい次男は懐いていたし、それだけ可愛がっていただいていたということだ。

 昨年から娘が女将さんの行きつけのカフェでバイトを始めたこともあり、それからは娘も女将さんに本当に良くしていただいた。

 お鮨のネタのぶ厚さと新鮮さ、Cちゃんが作る絶品おつまみの数々、そしてキュートな女将さんの辛口トークと魅力はいくつもあるが、とにかく旭鮨の皆さんの個性豊かなキャラと人情味溢れる雰囲気が、さらに美味しく、そして他のお店にはない楽しいひとときを味わわせてくれたのだ。

 そんな私の大好きな場所、旭鮨がいよいよ閉店すると聞いたのは7月下旬のこと。

 これはもう、とにかく行きまくるしかない。

 8月中に行ける日は全部行こう!

 勝手に旭鮨祭り開催決定だ!!

 長くなるので来週に続く。

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