BTS(164)
(BTS163からの続き)
フレア:死装束(しにしょうぞく)は、故人に着せる白い服のことでしょ。
セフレ:そうだね。表現としては間違ってないよ。
フレア:そもそも死装束とは何?
セフレ:白い衣装には、この世に未練を残さず晴れやかな気持ちであの世に行けるようにという意味が込められているんだよ。
テブレ:死装束は、糸を使用せずに作るんだろ?
セフレ:それはちょっと違っていて、糸は使うのだけど糸尻を止めない(いわゆる糸止めをしない)のが特徴だよ。
チフレ:死装束は、経帷子(きょうかたびら)とも言うでしょ。
セフレ:そうだね。他にも浄衣(じょうえ)や経衣(きょうえ)とも言うよ。
フレア:どんな作りなの?
セフレ:白麻などで作り、裏地を付けず単衣(ひとえ)にして、縫い目の糸は止めない。そして、衽(おくみ)や背には「南無妙法蓮華経」や「南無阿弥陀仏」などの経文を書くんだよ。
サブレ:衽(おくみ)って何?
チフレ:着物や浴衣の前の部分でしょ。
セフレ:そう。着物や浴衣などの襟から下の部分で体の前で左右が重なり合うあたりのことだよ。
サブレ:なるほど。勉強になったよ。
カブレ:ところで、死装束は誰が準備するんだ?
セフレ:一般的には葬儀社が準備してくれるよ。
テブレ:死装束には正式な衣装セットみたいなのがあるのか?
セフレ:あるよ。基本的な装具は、数珠、脚絆(きゃはん)、白足袋、頭布、わらじ、手甲(てこう)、杖、経帷子(きょうかたびら)、笠、頭陀袋(ずだぶくろ)及び六文銭(ろくもんせん)だよ。
フレア:分からない単語がたくさん出てきたよ。
サブレ:故人と繋がらない意味不明なモノもあるよね。
フレア:脚絆(きゃはん)って何?
チフレ:今で言う脛当て(すねあて)でしょ。
セフレ:そうだね。脛(すね)を保護したり、足の鬱血(うっけつ)を防止するために脛の部分に巻く布や革でできたモノで、ゲートルとも言うよ。
カブレ:あー分かった。今で言うレッグウォーマー的なモノだな。
セフレ:ちょっと違うけど、イメージは当たってるよ。
フレア:手甲(てこう)は何?手に付けるモノだと思うけど。
セフレ:手甲は、お祭りなどでお神輿を担ぐ人が手首を守るためにしているよ。手首だけに巻くタイプと手首から手の甲まで保護するタイプがあるよ。
カブレ:今で言うリストバンドだな。
サブレ:また経帷子(きょうかたびら)が出てきたけど、死装束セット=(イコール)経帷子ではないの?
セフレ:経帷子は死装束の代表的な着物で、世の中では死装束=経帷子というイメージが付いてるけど、経帷子は死装束セットの一つで、故人に着せる服そのものだよ。
チフレ:じゃ、経帷子以外のモノはアクセサリー的なんだね。
セフレ:そんな感じだね。
サブレ:頭陀袋(ずだぶくろ)は何に使うの?何を入れるの?
セフレ:頭陀袋は僧侶が修行の旅をするとき、経文や食器などを入れ首にかける袋のことなんだけど、故人の場合は六文銭(ろくもんせん)を入れるんだよ。
サブレ:じゃ、六文銭は何に使うの?いわゆる昔のお金的なモノでしょ。
セフレ:三途の川を渡る時に使うよ。
テブレ:どうやって?川にでも投げ銭するのか?
セフレ:イヤイヤ、それはない。故人が三途の川を渡る際に歩いて渡るのではなく、船に乗って快適に渡れるようにと船賃として六文銭を持たせる風習があるんだよ。
カブレ:今時、一文銭なんてあるのか?どうやって探すんだ?
フレア:ん?一文銭(いちもんせん)じゃなくて、六文銭でしょ。
カブレ:あー、一文銭が6枚で六文銭な。五百円玉みたいに1枚の硬貨じゃないぞ。
フレア:そうなんだ。昔のお金だからよく分からんし。
セフレ:今では、一文銭自体が存在していないので、紙に印刷した代用品を入れているよ。これも葬儀社が準備してくれるよ。
サブレ:じゃ、10円硬貨とか100円硬貨を入れればいいんじゃないの?
セフレ:次の副葬品で話題になると思うけど、火葬の際に副葬品として入れて良いモノとダメなモノがあるんだよ。
チフレ:そもそもお金って燃やしたりしたらいけないんだよね。
セフレ:そのとおりだよ。その話は次回に。
(BTS165につづく)
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