さちこの部屋(098)
chit chat(20)〜おひとり様生活終了〜その3〜
「娘を元気にするプロジェクト!」を開始してみたものの、娘の体調は一進一退を繰り返し、なかなかこちらの思惑通りには進まない。
私も鬱だった時は、良くなったかなーと思えばまたぶり返したり…を繰り返していた。
しかも軽症であればあるほど、嫌なことから逃げているだけではないか、本当は病気ではないのではないかと周囲からの理解を得にくい。
私は約3年、鬱で通院したのだが、秋から冬に向かう時期にどーんと落ち、春から夏に向けては一時的にメンタルが安定していた。(その中でも日によって波がある。)
あの当時は「鬱病」について正しい情報があまり世間に認知されていなかったので、頭のおかしい人と思われるのではないかとコソコソ隠れるように通院していたし、親しい友人にもなかなかうちあけられなかった。
最初の一年目こそ、元夫はたいそう心配してくれたが、二年目、三年目となると「また…?」みたいな空気が明らか。
その「また…?」という空気と、家事育児が思うようにこなせないこと、病院代や薬代で家計に負担をかけていることなどがプレッシャーとなり、何とか抜け出さなくては…と焦りでジリジリしていた三年目、かかりつけのメンタルクリニックの医師に「結局ねー、周りの人は変わらないんだから、自分が変わらないと。」と至極あたり前のことを言われた。
その時、「そーんなこと私だって重々わかってるわよ。でも何ともならないから苦しんでるんでしょうよ。なんでお金払って、医師免許持ってなくても誰でも言えそうなコメント聞かにゃならんのだ。」とカッチーンときた。
そしていつもうつむいて診察を受けていた私がキッと顔を上げて医師の顔を見ると、医師の鼻の下に尋常じゃない量の鼻毛が。(鬱の状態が酷い時は頭がもうろうとしていたので、三年目まで鼻毛に気がつかなかったのであろう。…いや、それか三年目に入ってから医師が伸ばし出したのか?)
最初は口髭かとも思ったが、違う。
鼻の穴からグレイヘアーのウェーブがかった鼻毛が大量にもっさもっさ出ている。
「何故だ?!何故こんなにも大量の鼻毛が出しっぱなしなんだ?お洒落のつもりなのか?いや、単に面倒くさいからなのか???」
鼻毛を凝視しながら、医師の話しは上の空でグルグルと考えた。
いやいや、そんなことよりも。
こんな鼻毛ボーボーの人に、しかも誰でも言えそうなあたり前のコメントしかもらえないのに通院するなんて、こんなバカバカしいことあるかーい。
後から思えば、そんな反発心が湧いてきたということは、ほぼ完治目前だったのであろう。
鬱病真っ盛りの時は、そんな気力は1ミリも出ないのだから。
それを機に通院することは止め、自力で完治を目指すことにした。
まだ誰もがスマホを持っている時代ではなかったので、図書館に行き、鬱病関係の本を読みあさった。
その上で自分に課したこと。(その当時の情報なので、どなたにでも効果があるかはわかりません。)
①毎朝決まった時間に起き、太陽の光を浴びて体内時計をリセットすること。
②何のジャンルでも良いので、好きな本をたくさん読むこと。
③適度な運動をすること。
読書は元々好きだったので、苦にならなかった。
運動は、出産してから子連れで行ける満足に運動できる場がなかったこと、かといって子どもをあずけるのもままならないので、何年も遠ざかっていた。
そこで、子ども達もだいぶ聞き分けがつくようになってきたので、母にお願いして週に2回ほど下の子2人をあずけ、三芳町総合体育館に利用者として通い出したのだ。
〜その4〜に続く。
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