さちこの部屋(224)
母Y子、その9〜その2〜
母Y子が完全に生活の場を施設に移したのは去年の7月。
ショートステイで滞在中に転倒して股関節の人工関節置換術を受けることになり、そしてそこから車椅子生活になり、施設に入所することになった。
やはり自分の脚で歩けなくなると、筋力と共に認知機能や他の機能もガタガタっと低下するようだ。
それまでは言葉がはっきりしないまでも、もう少し何かしら言葉を発していたが、寝たきりになってからは完全に聞き取れる言葉を話せなくなり、介護のランクも要介護5となった。
だが、介護士さん達の努力により、せめて食事の時だけでも車椅子ではなく普通の椅子に座って食事ができるようにしてくれたのだ。
すると何と、ほんのちょっぴりだが上半身を起こしておけるようになり、食欲も湧いてきたようで体重が少しずつ増えてきたらしい。さらには私達が面会に行った際に母から手を振ってくれたのだ。
まあ、もちろん誰だかわかってはいないのだけれど。
推測だが、
普通の椅子に座る→体幹を使わないと倒れてしまうので、体幹の筋肉を使う→骨盤が立つ→背骨も立つ
寝たきりになって、移動も食事も車椅子だと体幹の筋力は衰えていく一方だが、「椅子に座る」ことが母にとってはそれだけで筋トレに。
筋力を使えばお腹がすいて食欲もわく…ということか。
人は四足歩行から二足歩行になったことで、一気に脳が活性化したという説があるが、母も骨盤と背骨が立つことで頭を自力で起こすことが出来、そして一瞬脳が活性化して、私達に手を振るというスゴ技(?)を発揮できたのだろうか。
まあ、真相はわからないけど。
とにかく、何か元気になってきてない…?って姉と話していたのに、9月中旬を過ぎた頃、感染症に罹り寝込んでしまった。
「なんか発熱して具合い悪いらしい。」と姉から聞いたのも束の間、次に姉から連絡がきた時には、水分も1日300ccしか摂取できず、食事も取れずにゼリー等で栄養摂取している状態に。
そして夜中に痰が喉の奥で絡んだりすると、そのまま死んでしまう可能性があるから、担当医と一度会って看取りプランを一緒に作成しなければならないと。
担当医の面談が毎週木曜日14時と決まっているのだが、姉も父も兄も仕事で行けないとのことで私が行くことにした。
姉とそんな相談をしたのが9月の3週目の週末。
姉が9/23(火)に母に会いに行った時は、頭を上げようとする仕草を見せたり、苦しそうに眉間に皺を寄せながら何かゴニョゴニョ訴えたり、帰ろうとする姉の手をぎゅーっと握ったり(もちろん、誰だかはわかっていない)と少し余力があるように見えたらしいが、私が看取りプランの作成の為に施設に行った9/25(木)には、全く様子が変わってしまっていた。
来週に続く。
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