さちこの部屋(185)

「Streeeeetch !!」〜その6〜


 たまーに、こんな質問を受けることがある、その2。

 「どうやったら180度開脚ができるようになるんですか?」

 はい、このシリーズを全てお読みいただいている皆さんはもうおわかりですね。

 「毎日コツコツやってください。」

 毎回、私はこう答える。

 すると皆さん、「えー…でもぉ…」と困ったお顔をされる。

 これまで述べてきたように、きちんとポイントを押さえて取り組まれていないと、毎日コツコツやってもなかなか成果が上がらない。

 すると1〜2ヶ月も経つと面倒になって、いつのまにかやめてしまわれるのであろう。

 本気で180度開脚を目指すのであれば、年単位のスパンで取り組んでほしい。

 が、本当に180度開脚できるようになることは、そんなに良いことなのだろうか?

 そもそも股関節の可動域は、前後に140度、左右に90度くらい。

 私は昔、デモンストレーションチームに所属していたので、地方のイベントでショーとしてのダンスを踊らなければならなかった。

 なので、出来るだけ高くハイキックをするために180度開脚ができるようになることは必須だった。

 バレリーナや体操選手等も美しさや芸術性を表現するため、関節可動域を広く保つのは当然のこと。

 ただ、関節可動域が広いだけではあの美しさは表現できない。

 彼女、彼らは柔軟性もさることながら、強靭な筋肉も合わせ持っているからあの素晴らしい動きが完成するのだ。

 筋肉があまりないのに柔軟性が過度に高いとどうなるのか。

 骨盤は言わば体の土台。

 その土台を安定させているのは筋肉。

 筋肉があまり無いのに過剰に股関節の可動域が広いと、歩くだけでも股関節がぐらぐらする危険性が。

 まして急に運動を始めたりしたら、弱々しい筋肉と伸びやすい靭帯に負担がかかり、靭帯が切れたり、腱や骨が損傷するリスクも。

 何でもかんでも、柔らかければいいってもんでもないわけだ。

 バレリーナやアスリートは、柔軟性と共に筋力も合わせて磨きをかけているからこそのあのパフォーマンスなのだ。

 柔軟性が高ければ、日常の家事や通勤、仕事などをこなしても体が動きやすいので疲れを感じにくくなる。

 だが柔軟性だけではなく、やはり筋力もとても大切なのだ。

 たとえ180度開脚できずとも、自分自身が快適に過ごせるだけの柔軟性を確保していれば良い。

 それでも、もしどうしても180度開脚ができるようになりたい!という方は必ず合わせて筋トレを。

 何かしら目標を設定して取り組むのはモチベーション維持にとても良いことですしね。

 私は昔180度開脚できていたものの、育休中にすっかり開脚できなくなり(3人の子育てに必死で、自分のメンテナンスどころではなかった)、それこそ脚は90度くらいしか開かない、骨盤は立たない、肘も床につかない…ぐらいの硬さに。

 が、子育てが落ち着き、また運動を再開してから少しずつ可動域を取り戻し、今はまた開脚して胸がぺたんと床に着くようになった。

 再度開脚できるようになったのは40代。

 いくつになっても柔軟性は向上しますよー。

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