ＢＴＳ（１８３）

（ＢＴＳ１８２からの続き）

フレア：定期的に新札を発行する理由についてだよ。

セフレ：主な理由は４つあると言われているよ。

カブレ：やっぱり、偽造防止だよな。

セフレ：それが新札発行の最も重要な目的だよ。偽札は日本の経済や社会不安を招き、国家を転覆しかねない可能性もあるし、前回も言ったように偽札の製造は重罪としているんだよ。

サブレ：因みに、新札の肖像画はどうやって選ばれているの？

セフレ：一説によると、日本の偉人であること、既に亡くなった人であること、髪型やヒゲなど複雑な容貌であることが条件だと言われているよ。

フレア：ヒゲとかあると、偽造が難しいんだろうね。

セフレ：他の理由として、海外からの紙幣印刷業務の受託製造もあるよ。

テブレ：どういうことなんだ？

セフレ：日本の紙幣を印刷している国立印刷局や貨幣を製造している造幣局は、海外からの受託製造も請け負っているので、その営業活動の一環として新札を発行して日本の技術をアピールしてるんだよ。

チフレ：日本でもキャッシュレス化が進んでるから、紙幣印刷や貨幣製造の海外からの注文は重要な事業になりそうだよね。

セフレ：他にも技術の継承のため、約２０年に１度新札を発行してるんだよ。

カブレ：紙幣や貨幣、偽造防止技術などの職人を維持していかなければならないからな。

チフレ：宮大工みたいなもんだね。

サブレ：職人技術を考えると２０年だと丁度、世代交代する単位でもあるよね。

セフレ：偽造防止技術も２０年経つと、真似ができるようになるので、２０年で新しくするのはタイミングが良いのかもね。

フレア：まだ、他の理由もあるの？

セフレ：最後の理由は、タンス預金のあぶり出しだよ。

チフレ：確かに。日本ではご高齢の方のタンス預金が１００兆円以上あると言われているからね。

カブレ：あと、タンス預金はマネーロンダリングに使用されることもあるので、政府としてはこのタンス預金を減少させたいんだよな。

セフレ：そう。だから新札を発行することで、本当はそんなことないんだけど、旧札が使えなくなるという噂が流れ、旧札を新札に交換させることでタンス預金として現金で保有している金額を把握したいという意図があるよ。

チフレ：可能ならば、銀行への貯金や投資に回したいんだろうけどね。

カブレ：高額取引する際に、旧札での大量取引は違和感を感じることになるからな。

セフレ：脱税防止や犯罪防止のためにも定期的な新札発行は意味があるんだよ。

フレア：新札発行に関して、そもそも、お金を管理している財務省の見解はどうなの？

セフレ：財務省のホームページでは次のようにいってるよ。

【財務省ホームページより】

質　問：

　なぜ紙幣や貨幣のデザインを変えるのですか。

回　答：

　国民の皆様にお金（紙幣や貨幣）を安心して使っていただくために最も重要なのは、偽造されたお金が出回らないようにすることです。万が一、偽造されたお金が広く出回ると、国民の皆様が手に取ったお金を信用できなくなったり、場合によっては被害を受けたりしてしまいます。

　そうしたことを防ぐため、紙幣については、これまでも概ね20年毎に改刷（紙幣の偽造防止技術やデザインを新しくすること）を行ってきました。

　そうした中で、

　（１）現在発行している紙幣は、２００４年に発行を開始して以来、２０年近くが経過し、その間に民間の印刷技術が大幅な進歩を遂げていること、

　（２）目の不自由な方や外国人のためにも、ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた紙幣デザインが世界の潮流であること

　などを踏まえ、より偽造しにくく、誰にとっても使いやすい紙幣となるようにするため、一万円券、五千円券及び千円券の３券種の改刷を実施することとし、２０１９年４月９日に発表しました。

　また、五百円貨幣についても、２０００年に発行を開始して以来、約２０年が経過することから、今般、紙幣の改刷に合わせて、より偽造しにくくするための改鋳（貨幣の素材や偽造防止技術等を新しくすること）を実施することとしました。