さちこの部屋(141)

「母、Y子」〜その6〜


 前回のブログでデイサービスの施設から母を連れて帰って来た時の続き。

 家に入ると、母の愛猫のモモがニャアニャアと鳴きながら足元に擦り寄って来た。

 昨年までは母が「ご飯あげなきゃ…。」と戸棚からキャットフードを出してきてモモのお皿に入れてやっていた。

 私たちのことは忘れても、一緒に暮らしているモモのことはわかっているんだなーと思っていたのだが、今回は「あ…、猫…。」と猫好きな母は微笑みながらも猫がいることに驚いているようだった。

 「モモちゃんにご飯あげたら?」と声をかけてもなんのことだかわからないようだし、モモは相当お腹が空いている様子だったので私がやるかとキャットフードを探したが見つからない。

 以前キャットフードをしまってあった戸棚にもないし、あちこち探してみたものの実家とはいえ勝手がわからず見つからないので、モモには父が帰宅するまで待ってもらうことに。

 そういえば少し前に姉から聞いた話し。

 元々モモのトイレとご飯用のお皿は1階のキッチンにあったのだが、ここ最近、母がモモのトイレの中のウ◯チを取り出し、それをモモのご飯用のお皿に入れてしまうということが何度かあったそうだ。

 ある日父が帰宅するとモモが必死の形相で父にまとわりつき、「ニャアっ!!」と何度も訴えかけてくるので父がその異常事態に気がついた。

 そりゃモモもブチ切れるわ。

 「オレの…オレのご飯にウ◯チがぁ~っ!!」ってね。

 猫を飼ったことがない方は想像つかないかもしれないが、猫も犬に負けず劣らずコミュニケーションがとれる。(個体差もあるけど。)

 例えば、元夫の家にいるウメ(♀)と、うに(♂)。

 ウメは娘が小4の時に拾ってきた猫だが、ちょっと性格は悪いがめちゃめちゃよく喋る。

 うには私が知人から引き取った捨て猫。

 ほとんど喋らないが、空気が読めないアホな男子高校生のような子。

 ウメが先住猫で産まれたばかりのうにが後から仲間入りしたのだが、ウメがどうしてもうにを受け入れられず、うには空気が読めない子なので屈託なくウメに飛びついていくのだが、その度にウメに「シャア〜っっ!!💢」と威嚇されている。

 「ほらほらウメさん、そんな大人気ないことしないで仲良くやんなよ。」と言うと、「ニャア!ニャガニャガニャ!ニャゴニャゴニャゴ!」といかにも文句ブリブリ言い返してくる。(その時々の気分でイントネーションが変わるので、怒っているのか、拗ねているのか、甘えているのかちゃんとわかる。)

 先日、娘がうにを抱っこして自室に連れて行くと、抱っこ嫌いのうには普段は身体をよじって逃げるだけなのに、その日は珍しく「シャアっ!!」と何度も威嚇したそうだ。

 途端に1階にいたウメが娘の部屋のドアの前まで飛んできて騒ぎ出した。

 娘がドアを開けると、子猫を心配する母猫のようにドアの前で「ニャ?!ニャニャ?!💦」とウロウロ、オロオロしていたという。

 私が一緒に住んでいた頃も、わざと娘をいじめているふりをして娘が嘘泣きをすると、ウメが飛んできていじめ役の私を威嚇したり噛みついたり(もちろん軽くだけど。)してくるということがあった。

 娘がウメの愛情確認をするために時々やっていたプレイ。(ウメにはいい迷惑だけど。)

 やはりウメなりに娘に拾ってもらった恩義を感じているのだろうか。

 まあとにかく、猫も個体差はあれど、けっこう何を考えているのか、何を言いたいのかある程度はわかる。

 モモも自分が出したモノがご飯用のお皿に入ってたら、そりゃびっくり仰天したことだろう。

 父に苦情申し立てと改善するよう必死に訴えかけて当然だ。

 モモには悪いが、まだ猫用のお皿ならまだしも、これが人間用の食事にやられたらたまったもんじゃないと父がだいぶ精神的にまいってしまった。

 そこでモモのトイレとご飯セットは2階に場所を移したらしい(階段には柵が設置してあるので母は2階には上がれない。)。

 どおりでキャットフードが1階で見つからないわけだ。

 ちなみに、あまり喋らないうにだが、彼は下グセが非常に悪い。

 私はこれまで何匹も猫を飼ってきたのでトイレの躾は慣れたものだが、うにだけはどうにもトイレの躾が上手くいかなかった。

 オ◯ッコはちゃんとトイレでするのだが、ウ◯チだけは何故か決まった場所でもなく家中いたる所でやってしまう。

 獣医さんにも相談し、トイレもウメと分けて2つ設置しても駄目。

 ある時、私が元夫宅に用事があり合鍵で玄関を開けて入ると、ちょうど廊下奥の右手のキッチンからうにがひょいと出てきた。

 が、私の顔を見るなり明らかに「やべっ」っという顔をしたので、「あ!オマエまたやったな?!💢」と言うと、マンガのように一瞬ビクッと小さく飛び跳ねたかと思うと脱兎のごとく一目散に2階に逃げて行った。

 案の定、キッチンのシンク前の床に出したてほやほやのまだ温もりの残るウ◯チが。

 も゙ー💢

 ま、でももう私ん家じゃないからいっか笑(片付けはしといてやったけど。)

 ほとんど鳴き声を発しないうにだが、目つきや表情、しぐさや態度で「あ!やべっ…ウ◯チしたてなのに母ちゃんに見つかった!怒られるー!!」と思っていたであろうことがちゃんとこちらに伝わるのであった。

 猫話しで長くなったので、今日はここまで。

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