BTS(158)

(BTS157からの続き)


フレア:葬儀社との打合せについてだよ。

テブレ:ちょっと待った。

フレア:テブレ、いったい何?

テブレ:葬儀社との打合せに入る前に、前回の話題の中でよく分からなかったモノがあるんだけど。

フレア:だから、それは何?

テブレ:霊柩車と寝台車の違いだよ。みんな気にならなかったのか?

サブレ:気になったけど、質問すると話題が反れるから遠慮した。

チフレ:亡くなった人は霊柩車、生きている人は寝台車っていう感じの感覚。

カブレ:同じ車だけど、使う場面によって呼び方が変わる的な感じだな。

テブレ:やっぱり、みんな何となく分かってるようで、実は分かってないんだよな。

サブレ:言われてみると、言葉の違いと実際の車の違いや用途の違いが気になるけど。

フレア:でも、生きていく中でその違いを知らなくても何の問題も無いと思うけどね。

カブレ:でも、せっかくエンディングノートのネタの中で出てきたコトなのだから、解説というか違いを知っておいた方がいいよな。すぐ忘れるかもしらんけど。

テブレ:と言うことなので、セフレ、解説よろしく。

フレア:霊柩車と寝台車の違いのポイントは何?

セフレ:霊柩車と寝台車の違いは、用途、車両の形、内部構造あたりになるかな。

チフレ:用途だと生きてるか死んでるかだよね。

セフレ:そう。ただし、寝台車は生きてる人も亡くなった人もOKだよ。まず、霊柩車にはそもそも日本としての昔からの歴史というか、伝統があるんだよ。

チフレ:それ、大八車的なもの?

セフレ:チフレ、物知りだね。いきなり大八車が出てくるとは思わなかったよ。

フレア:ダイハチグルマって何?

セフレ:大八車は、江戸時代に日本の各地で荷物の運搬に使っていた人力の荷物運搬車だよ。

チフレ:車輪の部分も含めて全て木でできた、今で言うリヤカーみたいなモノだよね。

セフレ:チフレの解説の方が分かりやすいね。時代劇のドラマとかで、農民が米俵を積んで数人で引っ張って押して運んでいるシーンを見たことがあると思うけど。

カブレ:あー、あれな。見たことある。手押し車みたいなモノだろ。大八車という呼び名は知らんかったけど。

テブレ:何故、大八車と呼ぶんだ? そこ、気になるだろ。

セフレ:名前の由来は、諸説あるみたいで、有力な説が二つあって、その一つが「一台で八人分の仕事(運搬)ができるから(でも、この場合は「代八車」と書く。)」。二つ目が「車台の大きさが8尺(約2.4m)のモノを大八と呼んだから。

サブレ:有力じゃないけど、他にもあるの?

セフレ:他には、現在の滋賀県大津の八町で使われていたことから「大津八町の車」が略され「大八車」になった説や、芝高輪牛町の大工八五郎が発明したから、宮城県の針生大八郎が発明したからなどの説もあるよ。

フレア:大八車は分かったので、霊柩車の歴史に戻って。

セフレ:日本では昔から、亡くなった人を運ぶため駕籠(かご)や大八車(だいはちぐるま)などの乗り物を使っていて、そのうちの一つに棺車(かんしゃ)という、お寺の屋根を組み合わせた大八車に遺体を乗せて運ぶ風習があったんだよ。

カブレ:それって、今ではあまり見なくなった金ピカの派手な霊柩車の原型だろ。

サブレ:金ピカ霊柩車って(笑)

セフレ:いわゆる宮型霊柩車のことだね。その宮型霊柩車の始まりは、1922年の大隈重信の葬儀の時に、寺院のような屋根を荷台に取り付けたトラックが使用され、これが現在の霊柩車の始まりと言われているよ。なので霊柩車は歴史的にも亡くなった人(故人)しか乗ること(乗せること)ができない特別な車なんだよ。

フレア:そう言われると、寝台車の歴史も気になるよね。

セフレ:歴史というよりは、その用途として、病気や怪我をした人を寝た状態のまま運ぶための車で、担架やストレッチャーごと人を乗せることができる仕様(内部構造)になっている車だよ。救急車もそうだよね。

フレア:用途でまとめると、霊柩車は亡くなった人のみに使用。寝台車は生きてる人も亡くなった人も使用できると言うことだね。

サブレ:じゃ、亡くなった病院から安置所である自宅へ運ぶ場合、自宅から斎場へ運ぶ場合、斎場から火葬場へ運ぶ場合はどれを使うことになるの?

セフレ:霊柩車の歴史を踏まえると、霊柩車を使用する場面は斎場から火葬場への運搬のみだよ。その他の運搬は寝台車を使用することになる。

チフレ:そういった手配も葬儀社が全部分かっていて上手く捌いてくれるんだよね。

セフレ:そう。そういうことまできちんと理解している葬儀社を選ぶことだね。

フレア:車の形での違いはあるの?

セフレ:外見と内部構造の違いがあると思うけど、まず、外見では霊柩車の方が派手。一見してそれだと分かるモノが多かった。あと、車両の

カブレ:多かった? 過去形なのか? 何かひっかかるな。

セフレ:そのひっかかり、いいね。寝台車の外見は一般的なバン型の車両なので多分、普通の人では違いが分からないと思う。

カブレ:で、霊柩車の今はどうなってるんだ?

セフレ:例えば、宮型霊柩車など、最近では「目立ちすぎる」とか「時代に合っていない」とかの理由で使用する機会が減少しており、また、霊柩車自体が死を連想させることから、火葬場への乗入を禁止している自治体もあるようなんだよ。だから、最近ではシンプルで高級感のあるリムジン型霊柩車が流行りになってきているよ。

テブレ:そうなると寝台車との見分けができなくなるな。

セフレ:霊柩車と寝台車を見分けるポイントとしては、霊柩車であれば、車両の前ドア下部に「霊柩」又は「霊柩限定」との表示があるよ。

フレア:最後のポイントとして、内部構造の違いは?

セフレ:霊柩車は故人の入った棺のみを乗せるシンプルな構造で、棺を収めやすいようにローラーが設置されていて、内装に葬儀飾りが施されている場合が多いよ。一方、寝台車は担架やストレッチャーごと人を乗せることができ、かつ付き添い人が乗れるスペースが設けられているよ。最近では福祉車両仕様として自動車メーカーの販売車種にラインナップされている寝台自動車もあるみたいだよ。

フレア:これで霊柩車と寝台車の違いが分かったので、本題の葬儀社との打合せについて始めようか。

テブレ:長くなったので、それ次回にしようぜ。


(BTS159につづく)

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