BTS(087)

(BTS86からの続き)


フレア:次は、AIについて教えて。

セフレ:AIとは人工知能のことで、英語ではアーティフィシャル・インテリジェンスというんだよ。

サブレ:英語でいわれても分からない。もっと簡単にザックリと。

チフレ:単語の意味からすると、人が作った人工的な人為的な、知性や理解力、判断力、その結果としての情報といったところなのかな。

カブレ:理解力や判断力を人が作るというなら、機械でできた脳ということなのか?

セフレ:AI(人工知能)は、脳を機械でつくるというよりは、脳と同じ働きをするコンピュータのソフトウェアやプログラムを作るというイメージだね。

テブレ:人間と同じ判断ができる情報処理プログラムを作るということなんだな。

セフレ:でも、その人間と同じような判断するということが、とても難しいことなんだよ。例えば、計算機は1+1=2だけど、人間の脳での計算は必ずしも答えが2にはならないんだ。

サブレ:どういうことなの?

セフレ:学校の数学の授業なら1+1=2でいいのだけど、私たちの日常生活においては、1+1の「1」が単なる数字ではなく、日常生活においては何か別の意味のある価値のある「1」だから、その「1」には付属する情報がたくさんあるということなんだよ。

フレア:うーーーん。分からない。

セフレ:例えば、お店で、1個100円の梨を2個買った場合、梨1個+梨1個で梨2個になるけど、値段は200円にならず190円になることがあるよね。

サブレ:そうだよね。お店では値引きや割引きがあるからね。

セフレ:そう。単なる計算なんだけど、2個で何%割引がある、3個で何%割引があるということもプログラムに組み込んで計算しないといけないことになる。

フレア:だったら、そのプログラムをあらかじめ組み込んでおけばいいんでしょ。簡単じゃない。

セフレ:次の例として、つきたてのお餅があったとしよう。お餅1個+お餅1個はお餅2個になるけど、その答えとしてお餅1個になる場合があるよね。

カブレ:それは、2つの餅を、1つにくっつけた場合だろ。

セフレ:そう、その通り。この場合は、つきたてのお餅がくっつきやすいということと、お餅の大きさにもよるけど、小さい場合は2つをくっつけて1つの丁度良い大きさにするということだよね。

チフレ:今の二つの例えは、凄く当たり前のことだと思うけど。

セフレ:そう、私たちの生活では凄く当たり前なのだけど、AIが人間と同じ考え方をするためには、たくさんの情報や考え方をプログラムとして準備しておかなければいけないんだよ。お店の場合は、何が何個で何%割引になるのか、それは全てのお店が同じなのか、お店ごとに違うのか。店長でも、バイトでも同じなのか。お餅の場合は、お餅の状態によってくっつけることができるのか。丁度良い大きさとはどの程度なのか。それは子供にとって、大人にとってどうなのか。などなど。

サブレ:そんなことは、毎日の日常生活の中で感覚的に身につけて覚えていくものだと思うけど。

セフレ:そう、それAIにとって凄く大事なことなんだ。人間の脳は、毎日の生活の中で体験して学習して経験値として記憶し、更には類推や推測することまでできるんだよ。

カブレ:別に普通に生活していれば、みんなできるだろ。

セフレ:でも、人間が作ったプログラムは、作ったとおりにしか判断しないから、類推や推測まではできないんだよ。

チフレ:でも、それができるのがAIなんじゃないの。

セフレ:ちょっと言い方が違っていて、類推や推測ができることを目指して研究し開発しているものがAIなんだよ。

サブレ:じゃ、AIはまだまだ未熟で未完成で、本当のAIはこれからできるかもしれないということなの。

セフレ:実は、AIにも歴史があって、初期のAIは迷路やパズルを解くものだったのだけど、それはコンピュータが一瞬で何通りもの道順や順番を1から順番に実施(総当たり)して正しい答えを出すというもので、結局は、何百通りのやり方を片っ端から試しただけだったんだよ。それは、知的でもなんでもないのでAIとは呼べないよね。

カブレ:結局、全てのやり方を試すのであれば、スピード勝負ということなんだな。

セフレ:次に、ある程度必要な基礎知識、いわゆる基礎データ(この中には専門的な知識やある一定のルールも含まれている。)をあらかじめコンピュータに組み込んでおいて、一般の人がより専門的な高度な結果や答えを知ることができるモノが出てきたんだよ。例えば医療診断、保険や住宅ローンの計算、音声認識などがあるけど、結局は基礎データをどれだけ準備し蓄積できるかにかかっていたんだ。

テブレ:それは、電子レンジが温め加減を調整したり、掃除機が床と畳の区別をしたり、洗濯機が洗濯物の量に応じて時間を調整したりと、家電が発展したのと関係あるのか?

セフレ:そう。テブレはある程度AIの歴史を知っているんだね。あらかじめ準備した基礎データとルールに応じて、家電が自動的に最適なモノを選んで動くということだね。

カブレ:ということは、今度は、必要な基礎データの確保と、それを詰め込むハードディスクの容量の勝負ということなんだな。

セフレ:そうだね。

フレア:ところで、最近、ディープラーニングという言葉をよく耳にするけど、それは関係あるの?

セフレ:それ、実に良いポイントだね。AIに凄く関係あるし、これからAIが飛躍的に発展するために注目されているモノだよ。これからのAIを考える上で、機械学習とディープラーニング(深層学習)があるんだよ。

サブレ:ちょっと待って。それらの言葉は、コンピュータやプログラムが自分で学習するとか勉強するとかのように聞こえるのだけど。

セフレ:その通り。機械学習とは、コンピュータそのものに学習能力を持たせるための方法論だとか技術を指すもので、見本やサンプル、例題となるデータをたくさん準備して、コンピュータにそのルールや法則を学ばせるもので、あらかじめ人間が組み込んだプログラム(この中には見本やサンプル、例題を分類するための数値的な類別(重みづけ)も含まれている。)を基本として、たくさんの見本やサンプル、例題となるデータを取り込みコンピュータ自身が学ぶことで、既存のプログラムをアップデートすることができ、既存のプログラムの精度や範囲を越えて、これまでできなかったことができるようになるようコンピュータ自身が成長していくようなものなんだよ。コンピュータ自身がたくさんの学習をすることで、コンピュータが人間の生活環境や行動条件に適したプログラムを選択し利用することで、限りなく人間の生活に適した活動や行動ができるようになるというもの。

カブレ:機械学習だけでもそんなに凄いのに、ディープラーニング(深層学習)になったらどんだけ凄いことになるんだ?

セフレ:話がまだまだ続きそうなので、ディープラーニング(深層学習)は次回にしよう。


(BTS88に続く)

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